「胸キュンするような純愛小説を読みたい!」
「大人な恋、切ない恋の小説を読みたい!」
「現実の恋と小説って違う…」
今回はそんな方に向けて「究極の恋愛=純愛」な小説に関する記事を書きました(╹◡╹)♡
記事の内容はこちら⬇️
- 胸キュンしちゃうような純愛小説3選
- ちょっと大人な純愛小説3選
- 純愛小説で現実をより良く出来る話
この内容を、小学生の頃から本がお友達、文学を紹介するTwitterのフォロワーが5000人の現役北大生の私が紹介します( ・∇・)
胸キュン度、危険度、純愛度の指標もあります(╹◡╹)
1.胸キュンしちゃうような純愛小説3選
①高村光太郎『智恵子抄』
- 胸キュン度:★★★⭐︎⭐︎
- 純愛度:★★★★★
私にはあなたがある
あなたがある
高村光太郎『高村光太郎詩集』岩波文庫
愛妻家で有名な詩人、高村光太郎が最愛の奥様を思って作った詩集です。
奥様に対する深い愛情が滲み出る詩ばかりで、あまりの純粋さに、
「これが本当に事実なの…?」
という思ってしまうほどです。
僕はあなたをおもふたびに
一ばんぢかに永遠を感じる
高村光太郎『高村光太郎詩集』岩波文庫
この表現、愛の表現の最高峰じゃないですか??
『あなたはだんだんきれいになる』という詩の中では、
年で洗はれたあなたのからだは
高村光太郎『高村光太郎詩集』岩波文庫
と、歳を重ねる奥様を賛美しています…
なんて素晴らしい夫婦愛…
存分に味わってください…
②シェイクスピア『ロミオとジュリエット』
- 胸キュン度:★★★★★
- 純愛度:★★★★⭐︎
「なーんだありきたりじゃん」と思ったあなた。ちょっと待ってください!
シェイクスピアの書いたきちんとした『ロミオとジュリエット』、読んだことありますか??
中学生の頃、校長先生が言いました。
「シェイクスピアを読みなさい。あれはストーリーを楽しむものではないのです。セリフを味わうものなのです。」
と。
私も映画で見たあとに原作の『ロミオとジュリエット』を見て愕然としましたね…
なんと美しい言葉の数々!
なんと痛々しい青春の言葉の数々!
そしてなんとロミオの口の上手いこと!
最後は余計ですが、それも魅力の一つなんんです。
ロミオ、女の子が「キャー!」と喜びそうなロマンチックでうっとりするような言葉を吐きまくります。
次のセリフは、ロミオがジュリエットの手に接吻した後の言葉です。
私のこの賤しい手が汚しているということでありますならば、その償いはこの通り、私の唇という二人の巡礼が、今こそ優しい接吻をもって、手荒なこの痕を拭とろうと、羞頼ながら控えております。
シェイクスピア『ロミオとジュリエット』、中野好夫訳、新潮文庫
手に接吻をしてしまって汚してしまったから唇で償いたい、みたいなことを言っています。
なんて暴論!
でもロミオのセリフは、女の子が一度は言われてみたいようなロマンチックなセリフがたっぷりです…
胸キュンMAX間違いなし。
③ゴーチエ『モーパン嬢』
- 胸キュン度:???
- 純愛度:★★★★⭐︎
突然知名度が落ちると思います。
フランス19世紀のデカダンスという考え方の中で大活躍した作家の代表作です。
ただただ美しいものが大好きな主人公の男と、それに見合うような美しい女の恋の話です。
複雑すぎる事情(しかもネタバレになるので言えない)があって、素直に結ばれない二人ですが、最後には「目に見えるものを超えた何か」を感じさせる結末を迎えます。
そして、
結局のところ、人生には恋愛しかないからね。
ゴーチエ『モーパン嬢』井村実名子訳、岩波文庫
と宣う主人公の恋に純粋すぎる考え方が、ちょっと違った角度で、恋愛小説の中でも個性的で面白いです。
ストーリーもかなり奇抜で「えっ!?」となるので是非、知らない方も読んでみてくださいね(╹◡╹)
2.ちょっと大人な純愛小説 3選
①ナボコフ『ロリータ』
- 危険度:★★★★★
- 純愛度:★★★★⭐︎
この本を「純愛」と言ってしまうと、かなり物議を醸すかと思うのですが…
私の通う北海道大学の教養の授業で「文学と愛のかたち」という授業がありまして。
私はその授業が今までで一番良かった授業だと思っているのですが、
その「愛」の授業の課題図書の一つがこれだったんです。
その時に初めて私もこの100禁書でもある問題作『ロリータ』を読みました。
30過ぎのおじさまが幼子を恋愛対象・性的対象としてみる。
ダメなんですよ?ダメなんですけど、最終的にそれは本物の愛になっていくんです。
そしてこの本、とってもロマンチックでもあるんです。
芸術家にして狂人、際限ないメランコリーの持ち主
ナボコフ『ロリータ』若島正訳、新潮文庫
と紹介されるほどの主人公のロマンスは止まりません。
彼女の息はほろ苦かった。褐色の薔薇は血の味がした。
ナボコフ『ロリータ』若島正訳、新潮文庫
溜息が出てしまいますよ…
うっとりときめく、そんな風にも読めるんです。
現実では不可能な危険な恋に孕む、罪な純愛を大人の皆さんは、大人として味わってください。
②ドストエフスキー『罪と罰』
- 危険度:★★★★⭐︎
- 純愛度:★★★★★
これを「恋愛小説」「純愛小説」として評している人はあまりいないんじゃないかな?
でも私は断然この小説は「純愛小説」だと思っています。
罪を犯した主人公。
その主人公が、ソーニャという娼婦との交流を経て、人間を回復していく物語です。
このソーニャが純愛の化身なんです。
主人公は何度もソーニャに怒鳴ったり、跳ね除けたり、八つ当たりしたりします。
それでもソーニャは諦めません。
だって主人公が本当は助けを求めているから。
ラスコーリニコフはその瞬間、はっきりと、ソーニャがもう永遠に彼のそばをついて離れないで、たとい地の果てであろうと、運命が彼をみちびくところへ、どこまでもついて来てくれることを感じ、そして悟った。
ドストエフスキー『罪と罰』
このソーニャの無償の愛。まさに純愛です。
癒されていきましょう。
③谷崎潤一郎『春琴抄』
- 危険度:★★★★★
- 純愛度:★★★★★
はい、私の記事で必ず入ってくる谷崎潤一郎です。
変態な本しかないんじゃないの?
と不安になるかもしれません。
安心してください。変態です。
でも、純愛です。
盲目美女春琴に仕える佐助の献身的な愛(変態)。
そしてその春琴が何者かの手で大火傷を負わされてしまった時、マゾの変態佐助がとった行動とは…
こう書くと「単なる変態じゃん」と思われてしまいそうですが…
自分も同じ暗黒世界に身を置くことが此の上もなく楽しかった。
谷崎潤一郎『春琴抄』新潮文庫
これこそ究極の純愛。
もしあなたに好きな人がいるなら自分に問うてみてください。
「この人と一緒なら地獄にでもいけるのか?」
と。
この主人公佐助なら喜んで頷くでしょう。
危険なほど究極の純愛がそこにはあります。
3.純愛小説で現実を健やかに過ごせる話
純愛小説を読むと、現実を健やかに過ごせる、私はそう思います。
理由は 3つあります。
①現実と違って癒される
「現実では恋を全然していない」「現実の恋はなんだか純粋じゃない」
そんな風に思いませんか?
そういう気持ちの方は、純愛小説を読むとこの上なく癒されます。
②人を愛する気持ちを持てる
更に、こういった純愛小説から、人を純粋に愛する気持ちをなんとなく学びます。
そして全部じゃなくても、少しくらい真似してみようかな、考え方を変えてみようかな、と思えます。
人を愛するということは、教わらないと出来ないことですからね。
③失恋した時に意外と効く
これは特にガチです。
失恋した時、本当に聞くのは、失恋の本ではありません。
そんなの読んだらメンタル更に抉られて終わりです…
だからといってなんとなく上手く行ってるカップルの話とかもダメです。
そんな時はあえて現実に存在しないようなレベルの純愛を読むのが良いのです。
私が純愛小説を読む時の話
私は究極に恋愛でうまくいかなくなった時、ごちゃごちゃした恋愛小説ではなく、あえて超純愛ものを選んで読みます。
特にロミオとジュリエットはヤバイ。
この世のものを超越したような純愛すぎる物語に、魂が浄化されます…
私にもきっとこの世のどこかにロミオがいる…
今はその時ではなかっただけ…
という風になります。
そして、そのロミオと出会う時に備えて、ピュアに人を想う気持ちを本に学んで生かすのです…
「単なる現実逃避なんじゃないの?」
という方がいると思いますが、はい、現実逃避です。
でも、一度非現実に癒されることによってなんだか達観した気持ちになるんですよ…
そんなわけで、純愛小説を読むと、現実をより良く出来るんです。(個人の見解ですが)
なので皆さんも、たくさん純愛な小説を読みましょう(╹◡╹)♡
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