1.「高校生 読むべき 小説」
こんなキーワードで検索をかけるのは、こんなキーワードに惹かれるのは、きっと次のような高校生。
- 「読書で何かを得たい!」人
- 「今読むべき本を効率良く読みたい!」人
- 「見聞を広げたい!」人
今回はそんな人たちの要望に応えられるような、「高校生の間に読むべき」「高校生だからこそ読むべき」本を10作品選びました!
見聞を広げられるために様々なジャンルに触れられるような10選にしました。
今回は、「悩み別」や「状況別」ではないので、あらすじは省略していきます。
2.高校生の間に読むべき小説10選【超厳選】
①【全高校生必読】サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
説明不要、全少年少女が読むべき永遠のバイブル。
これこそ、「高校生の間に読むべき本」です。
大人になってから再読しても十分に面白いのですが、大人になってから初めて読んだらもしかしたら面白くないかも。
それくらい、よく言えば「ピュア」で、悪く言えば「幼稚」な本なんです。
逆にこれを読んでつまらない高校生はとっくに精神的な大人なので「大学生の読むべき本」を検索してください…
②【読書の面白さを知る】カフカ『掟の前で』
たった数ページで読書の面白さを分からせてくれる良作です。
カフカ『変身』つながりで何となく読んだので知名度はありませんが、衝撃でしたね。
「掟の門」の前での出来事の話なのですが、その「掟の門」とはいったい何なのか。それが全く語られない。
解釈の自由度が高く、人に意見を求めたくなる作品です。
しかもスーパー短いのでその場ですぐ人に読ませて即意見交流できます(読書ハラスメント)。
ここから人と本について意見交流する喜びを知りました。
③【優しい気持ちを取り戻せ】宮沢賢治『よだかの星』
これはもしかしたら高校生じゃ遅いのかもしれない、でもきっと忘れかけていた何かを思い出すような作品。
宮沢賢治の作品はどれも「忘れかけていた何か」を思い出させてくれますが、これは特にそれが大きいです。
「命を食べてしか生きられない生き物」の悲しさ。
大人になれば、「そんなの当然じゃん、何言ってんの」と一蹴してしまうようなことを思い出す最後のチャンスかもしれない。
④【無力な自分と大きな思想】太宰治『おさん』
太宰治の中で一番好きな短編です。
なんてことはない、だらしない男のパッとしない人生が描かれているだけ。
でもその男の壮大で悲しい思想が、高校生だった頃の私には耐えがたく、重く響きました。
壮大な思想を抱いている無力な男。
それはまさに大人になる前の私たちの状態で、だからこそ読むべき本なんです。
⑤【ちょっと変わった戦争文学】古山高麗雄『蟻の自由』
戦争文学は一つくらい高校生の間に読んでおきたいですよね。
私は戦争文学はあまり好きじゃないのですが、これは別格。
浪人中、模試の問題文で出題され号泣し、その後買いました。
戦争に行った兄が妹に、「ここには蟻の自由がある」と手紙で語るんです。
戦争なんて不自由の塊じゃないか、と普通思うでしょう。
そうじゃない戦争中の異常な精神が恐ろしく、未だに忘れられない衝撃作です。
⑥【ロシア文学の手始めに】ドストエフスキー『地下室の手記』
世界最高峰と言われるロシア文学、高校生の間に少しは読んでおきたいですよね。
しかし、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『戦争と平和』等、有名どころはどれも何回かつ超がつくほどの長編。
そこで、ロシアの文豪ドストエフスキーの『地下室の手記』を選出です。
比較的短く、それでいてロシア文学らしい陰鬱さを味わえます。
あらすじは一言で「ひきこもりの言い訳」です。ちょっと面白そうでしょう?
⑦【倫理の授業が楽しくなる】筒井康隆『会いたい』
今回の10選で唯一、現在御存命の作家さんの本です。
かなり不思議な世界観の短編で、『笑うな』というショートショート短編集の中で異彩を放っていました。
これ、普通に面白いのもあるんですけど、倫理で出て来る「アニマ」という単語が出て来るんです。
倫理をもうやっている人ならわかると思うんですが、「アニマ」、習ってもよくわからないんですよね。笑
それをさらに良く分からなくさせたり、深く考えさせたりする、少し不思議な本です。
⑧【絶望の中の希望】野間宏『暗い絵』
これ、「高校生の間に読んでおけばよかった」本です。
高校の頃の現代文のいつも明るい先生が、突然
「この本を読んだら、読んでなかった世界にはもう戻れない」と一言だけ紹介したのがこの本です。
大学生の話なのですが、今の時代では、この主人公のような絶望感を味わうのは高校生なのかな(私がそうだった)、と思い選出。
そして最後に苦しいながらも希望をギリギリ示してくれるので超オススメです。
⑨【推理小説の手始めに】江戸川乱歩『目羅博士の不思議な犯罪』
推理小説、食わず嫌いしていませんか?
私はしていました。笑
でも、推理小説って、推理じゃない視点からもめちゃくちゃに楽しめる最高の本だったんです。
それをこれで知りました。
推理小説の犯人って、大体、「異常な美への執着」か、「異常な誰かへの愛」に突き動かされているんですよ(偏見)。
これは前者で、推理小説が嫌いだからって見逃してはいけないくらい、美しい世界と美しい文章です。
色んなジャンルを読むなら是非試してほしい作品です。
⑩【耽美の世界】谷崎潤一郎『魔術師』
はい、「耽美文学」劇推しの私の趣味が出てしまいました。
でも、これは間違いなく私が、高校生の間に読んで良かった本ベストです。
「綺麗なものが好き」「幻想的なものが好き」「現実逃避したい」「変態な世界が好き」「活字が好き」
人は皆このどれかに当てはまります(偏見)。
このどれかに当てはまる人は「耽美文学」が好きです。
よって人は皆「耽美文学」が好きです。(雑な三段論法)
少し文章は読みにくいですが、摩訶不思議で幻想的で美に酔いしれる「耽美主義」を知るならこの作品を推します。
3.高校生の間に色んなジャンルの本を読んでおいて良かった話
①人生の幅が広がる
色んなジャンルの本を読むということは、色んなジャンルの人の人生を知れるということです。
その分、自分の人生で悩んだ時に参考にできる人生が増えるということです。
エリートも、落ちこぼれも、芸術家も、学生運動家も、犯罪者も、動物まで、今回選んだ作品の主人公は様々です。
同じジャンルの本ばかり読んでいてはそうはいきません。
例を挙げると、私の大好きな谷崎潤一郎の本の主人公は大体芸術家です。これでは芸術家の人生しか知れませんね。
だからたくさんのジャンルの本を読みます。
こんなにたくさんのジャンルの人の人生を知れるなんて、本ってなんてお得なんでしょう!
②ジャンルが定まり、多忙でも本を楽しめる
多分、高校生が一番暇です。
大学生や社会人になれば、もっと遊びの幅が広がったり、やることが増えて、本を読む時間が減る人が大半でしょう。
なので、高校生の間にたくさんジャンルの本を読んでおけば、好きなジャンルが定まるので、読書に割ける時間が少ない中で、好きな本を中心に読んでいけます。
自分が面白いと思える本を見つけるスキルは意外と身に着けるのが難しいんです。
好きなジャンルが分かっていればそれが出来ます。
③一人耐性が出来る
これは様々なジャンル、というよりは、広く高校生が読書に親しむメリットなのですが…
読書家は一人にめちゃくちゃ強いです。
なので読書は好きになっておいたほうが人生が楽です。
一人で行動できるようになるので。
でも②でも言った通り、高校を卒業すると読書する時間が減ります。
読書は慣れなので、高校生の間に慣れておきましょう。
4.終わりに
今回はなんとなく高校生に絞って書いた記事でした!
是非拗らせ高校生たちは読んでみてね(/・ω・)/
Twitter頑張ってるので見てね↓