【夢みる少女必見】少女文学10選【耽美文学オタクが選ぶ】

  • 2020.07.16
【夢みる少女必見】少女文学10選【耽美文学オタクが選ぶ】

1.少女文学と豊かな感性

少女時代の感性って、人生の中で一番敏感で美しいと思いませんか?

ピカソの言葉に

すべての子供はアーティストである。問題は、成長してもいかにアーティストでありつづけられるか、ということなのだ。

『夜想#ゴス』ステュディオ・パラボリカ

というものがあります。

少女時代の感性がそのまま大人になっても残り続けてくれたらどんなに素敵でしょう。

だからきっと、少女の感性がたっぷりと描かれた少女文学に人は惹かれるんですね。

今回は、少女の感性をたっぷり味わえる少女文学を、耽美文学オタクの私が10選しました。

2.現役バリバリ・悩める少女部門

まずは、現役バリバリの少女たちに読んでほしい、鮮やかで痛ましい少女文学を紹介していきます。

①太宰治『女生徒』

  • ジャンル:独特の感性
  • あらすじ:ある少女のごく普通の1日が、少女の視点で語られる。
  • 長さ:54ページ

さすがの文豪。太宰治はまったく文学少女ですね。

50ページのうち半分は、本当にため息が出るほど痛ましくて美しい感情のオンパレードです。

もう、良い所全て抜き出していたらきりがないので、特に好きなところだけ抜き出します。

眼鏡をとって、遠くを見るのが好きだ。全体がかすんで、夢のように、覗き絵みたいに、すばらしい。汚いものなんて、何も見えない。

太宰治『女生徒』,角川文庫

眼鏡をとって、こうやって思えた日のことを忘れたくないです。

大人になったら、時間という制約があまりにも多すぎて、眼鏡をとっていちいちこんなこと思えなくなっちゃいますもんね。

あとは、

この間も、誰かに言われた。「あなたは、だんだん俗っぽくなるのね。」

太宰治『女生徒』,角川文庫

これを気にしているシーンが大好きです。

私の少女時代は(現在進行中です)、この「俗っぽさ」との闘いでした。

少女の感性のままでいたい人、これをバイブルにすることをオススメします。

②寺山修司『寺山修司少女詩集』

  • ジャンル:少女な恋
  • あらすじ:少女らしい、鮮やかで痛ましい恋愛の詩集
  • 長さ:大体ひとつ30ページ前後

寺山修司は、中二病もびっくりな『青少年のための自殺学入門』という凄まじい中二病エッセイも残している作家です。

その寺山修司の≪少女詩集≫、鮮やかなのはもちろん、痛ましさもあり、まさに少女といった感じ。

「台本は

人生で汚されてしまったわ」

寺山修司『寺山修司少女詩集』

ここなんか、ぐっと来ます。普通、人生「が」汚されるはずなのに、人生「で」汚されるとは…

現役少女も、少女を越えた方も楽しめる少女文学です。

③レベンクロン『自傷する少女』

  • ジャンル:メンヘラ
  • あらすじ:ストイックなスケート選手の主人公は、最近時々ハサミで腕を切ってしまう…
  • 長さ:310ページ

悩み別本紹介【家族・友達編】でも紹介したレベンクロンという作家の本です。

とある人形作家さんの対談を雑誌で読んだ時に知った本で、孤独な浪人時代にドハマりしていました。

「自傷」という行為は近年、「メンヘラ」という言葉と共に軽く論じられがちですが、この本を読むとかなり考えさせられます。

「痛みなくして得るものなし」

レベンクロン『自傷する少女』,集英社文庫

という言葉は、かなり恐ろしい呪文です。

しかし、苦しくても頑張って脱け出そうとしている時は、そう思うしかないわけで。

それを外野が「そんな考えやめなよ」なんて言う権利はありません。

自傷する少女の心理を知るもよし。

実際にそうなってしまっている子はこれを読んで少し気持ちを落ち着けることもできる、最高の少女文学です。

3.over20・ちょっと大人な少女部門

20歳を超えてもまだまだ少女だし、まだまだその気持ちを忘れたくない!

だけど世の中のことも知って、ちょっぴり大人な少女になったかな…という方向けの少女文学を紹介します。

④シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』

  • ジャンル:百合、悪
  • あらすじ:家族全滅事件の生き残りの姉妹は、事件現場の家でずっと二人で暮している。まるで二人のお城のように…
  • 長さ:240ページ

人の悪意を描くのが巧みで、「魔女」と呼ばれた異色の作家シャーリイ・ジャクスンの作品です。

姉妹の過ごす、お城での日々は、紅茶・ケーキ・読書・買い物・ランチタイムに豪華なお手製ディナー、等。

とっても美しいのに、どこか病んでいる。

物語が進むにつれてどんどん閉鎖的になっていき、二人だけの世界を望む姉妹の心理描写がまさに少女。

少女であれば一度は思う、「社会なんて出たくない、閉ざされた世界で生きていたい」を体現した世界観にうっとりできます。

⑤夢野久作『少女地獄』

  • ジャンル:嘘、恋
  • あらすじ:虚言癖の少女の話『何んでも無い』、少女の暴走する恋心を描く『殺人リレー』『火星の女』
  • 長さ:180ページ

題名そのままドーンで少女文学です。

特にオススメしたいのは、『何んでも無い』。

虚言癖の少女が、なぜ嘘ばかりつくのか、そしてその嘘つき少女になぜ人は惹かれてしまうのか。

そういうものの種明かしが一切ないんです。

きっと理由なんかなく、彼女は空っぽだし、理由なんかなく人はそれに惹かれるんです。

そこがとっても、少女っぽい。

大人の理屈が通用しない領域という感じでとてもいい感じです。

⑥倉橋由美子『聖少女』

  • ジャンル:禁断の恋
  • あらすじ:記憶喪失になった少女の日記には「パパ」への恋心が語られていた…
  • 長さ:290ページ

少女文学といえば倉橋由美子!少女が聞いて喜ぶ言葉のオンパレード!

いま、ほんとに血を流しています。痛くて、すてきな気もち。

倉橋由美子『聖少女』,新潮文庫

痛々しい!まさに少女の日記。それを盗み読みできるのがこの作品です。

学校に行かなかったり、年上のおじさまに恋をしたり、可愛い女の子と妖しげな関係になったり…

現役バリバリ部門に入れてもよかったんですが…

個人的には、高校時代に読んだ時よりも、大学生になってから読んだ時の用が、なぜかスッと読めたのでこちらに。

それはもしかしたら性経験がなかったからかもしれません。

「パパ」との情事後の心理描写はやはり性経験なしではわからないのかも。

⑦森茉莉『甘い蜜の部屋』

  • ジャンル:甘い蜜
  • あらすじ:父親に溺愛された美しい少女が、いろんな男を虜にしていく。
  • 長さ:300ページ

森鴎外に溺愛されていた森茉莉の作品です。

直接的な関係はないものの、父と娘の奇妙に妖しい、甘い蜜の部屋の中にいるような関係が描かれています。

その娘である≪モイラ≫が、その不思議な少女の魅力で男の心をかき乱します。

女でもドキリとしてしまうほどの≪モイラ≫の魅力と、お姫様のような生活ぶりに全少女がうっとりすること間違いなし。

⑧モリ―・フルート『鏡の中のアリス』

  • ジャンル:老いる恐怖
  • あらすじ:大きな鏡の前で一人で楽しみにふけると、鏡の中に亡き父親の幻影が現れ手招きをする…
  • 長さ:250ページ

こちらは昔の官能小説文庫「富士見ロマン文庫」からのエントリーとなります。

が。少女の永遠の悩み。老いることへの恐怖を巧みに描いています。

父を失った主人公は、父の形見の大きな鏡の前で、少女時代の恰好をして一人で楽しみに耽ります。

すると鏡の向こうから何かがこちらに語り掛ける。

ずっとここにとどまっているがいい、薄汚れた、何の面白みもない、つまらん人間どもが集まっているこの世界にな。そして、年とって、しわだらけの醜い顔をさらして生きておればいいのだ。

モリ―・フルート『エロティック・ファンタジー 鏡の国のアリス』,富士見ロマン文庫

恐ろしいセリフですね。

少女のままの主人公の感情が揺れ動き様が絶妙に描かれている傑作です。

官能小説侮るなかれ。

4.少女じゃなくても楽しめる部門

少女文学としてはもちろん、大人のお友達の皆さんも楽しめる少女小説を紹介します。

⑨ナボコフ『ロリータ』

  • ジャンル:ロリータ
  • あらすじ:ロリ●ンの主人公、運命の少女に出会ってしまう。
  • 長さ:500ページ強

ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。

ナボコフ『ロリータ』若島正訳,新潮文庫

この冒頭は、美し過ぎて、ロマンチックすぎて、私の全文学の中で最も好きな冒頭です。

言わずと知れたロリ●ン小説。元祖ロリ●ン。ロリ●ンの語源。

なので、問答無用で大人のお友達は楽しめるのですが、実は少女文学としても私はすごく好きです。

ロリータの自由奔放さ、傍若無人っぷり、そして時々見せる寂しさ…

めちゃくちゃ少女で、だからこそそんなところを余計愛せちゃう主人公は重度のロリ●ンなんですね。

⑩吉行淳之介『砂の上の植物群』

  • ジャンル:陰鬱、姉妹
  • あらすじ:不思議な少女と関係を持った主人公。その少女に次は自分の姉を誘惑してほしいと頼まれる。
  • 長さ:110ページ

「思い切り、毒々しく塗るの」

吉行淳之介『砂の上の植物群』新潮社

この一文にやられましたオブザイヤー受賞。

まだ未成熟な少女が、真っ赤な口紅つけて、このセリフを言うんです。最高。

あの少女の不均衡なところが、自分を誘うのだ。

吉行淳之介『砂の上の植物群』新潮社

まさにこれですね。

そんな少女の不均衡と、物語の後半では、水商売の姉に対する複雑な少女の気持ちが描かれています。

少女のうまみを大人の男から捉えた作品です。

5.終わりに

今回は少女な文学の紹介でしたが、かなり様々な視点から、広く少女文学をとらえての選出になりました(/・ω・)/

みんなこれを読んで、感受性を豊かに保ちましょう(/・ω・)/

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